止められない・手放せない スマホ・ネット・ゲーム依存、ゲーム障害のリアル漫画〜メカニズム、回復方法、家族や周囲の対処法をわかりやすく

現代社会にとってなくてはならないスマートフォン。

何かを調べる時はもちろん、SNSなど人との「つながり」の重要な手段の一つです。

その便利さや承認欲求などから手放せなくなる、手放すと精神的に不安定になるなどのスマホ依存・ネット依存などの「依存症」になるのは、もう珍しい話ではありません。

特に若い世代の間では深刻な問題となっており、学業や生活に支障をきたしたり、心身に悪影響を及ぼしたりするケースも少なくありません。

ゲームも、家庭用ゲーム機やPCなど、場所を限定されるものから、スマホゲーム、アプリゲームなどのモバイルゲームが気軽にストレスなく利用できるようになったこと、デジタル技術の進歩や課金制などでより刺激的になっていることもあり、ゲームに依存する青少年や大人も増えています。

ゲームに集中するあまり、仕事や学校に行かなくなるなどの日常生活に支障をきたす「ゲーム障害」は、WHOが病気と認定したほどです。

今回は、スマホ・ネット・ゲーム依存のリアル描いた漫画や、依存のメカニズム、依存からの解決策、自分や家族ができる対処法などをわかりやすく解説している本をご紹介します。

スマホやゲームは、適切で健全な距離感を持って利用し、充実した生活を取り戻すためのヒントが満載です。

ゲーマーズ×ダンジョン 僕はゲーム依存じゃない （全3巻）

ゲームと共に生きてきた空知遊矢。
現在、働きながら、遊ぶのはスマホがメイン。
仕事や人付き合いのストレス解消、そして逃げ場になっていた。

ゲームを介してできた友人、ランキング、つぎ込んできた時間と金－－
遊んでいるのかなんなのか、もはや自分でもわからなくなっていた彼の手を止めたのは亡き父だった。

そんな空知だったが、同じ会社の未唯さんに依存症を疑われてしまう。
心配してくれた未唯の言葉を否定し、拒絶してしまうが…！？

amazon

ゲーム依存にハマっていく過程、ゲームなどに依存する人がとても孤独を感じていること、自分では認められないこと、自力ではなかなか抜け出せないこと、本人のみならず家族も苦しむこと、ゲーム依存から立ち直る12のステップなどが、描かれています。

中高生でも読める内容ですし、ゲーム依存に限らず、アルコール依存、スマホ依存、ギャンブル依存などでも参考になります。

母のお酒をやめさせたい

アルコール、覚醒剤、ギャンブル、ゲーム…人は誰でも依存症になる可能性があり、依存症に苦しんでいるのは大人だけではない。
依存症の家族に振り回され疲弊している子どもたちや、自身が依存症に陥ってしまう子どももいる。
本人の意思だけでは回復できない依存症という困難、家族や子どもたちの葛藤と絶望、そして、回復への道のり。
自身も様々な依存症で苦しんだ経験を持つ漫画家が、子どもの視点から描く壮絶なエピソード。

amazon

家族や自分のギャンブル依存症、ゲーム障害、薬物依存症、アルコール依存症について、子供の視点から描いた短編漫画です。

依存症の実態、対処法や回復方法の例はもちろんですが、依存症が病気であり治療が必要であること、ケアする手段を増やすこと、親の依存症は子どもには一切の責任がないこと、家族間での依存症という病気に対する理解の必要性などが、丁寧に伝えられています。

マンガで分かる心療内科 依存症編(ネット・スマホ・ゲーム・ギャンブル・ポルノ) 

誰しもがいつの間にかなっている依存症とは何か?
前回の薬物アルコールに続き、今回はネット、スマホ、ギャンブルなどの依存症を克服するにはどうしたらいいかをマンガで分かる心療内科シリーズのゆうきゆう&ソウコンビがわかりやすく解説!

amazon

ギャグ系漫画＋わかりやすい解説で人気の「マンガで分かる心療内科」シリーズのネット、スマホ、ギャンブルなどの依存症編。

オトナだけでなく、スマホやゲームにどっぷりハマり気味の中高生やその保護者にもオススメです。

【中高生・保護者向け】
脱スマホ脳かんたんマニュアル

累計97万部を突破したベストセラー『スマホ脳』のジュニア版。

漫画ではありませんが、具体例も子供たちのケースを取り上げていますし、文章もわかりやすいです。基本的にルビ（ふりがな）なしなので、小学校中学年〜中学生向け。

デメリットや対策も書かれています。スマホネイティブ世代の保護者の方にもオススメです。

スマホ脳

オトナはこちら。

今では、スマホ依存に関する書籍がごっそり出版されていますが、読むならこの１冊で十分、と言い切れるくらい、データも揃っていて、わかりやすく、説得力があります。ありがちな不安煽り系ではないので、素直に読み進められます。

【中高生・保護者向け】
世界一やさしい依存症入門; やめられないのは誰かのせい?(14歳の世渡り術)

「スマホもゲームもやめられない」「市販薬を飲む量が増えてきた」「本当はリスカをやめたい」…
誰もがなりうる「依存症」について、最前線で治療にあたる精神科医がやさしくひも解く。

amazon

中高生やその保護者や周囲の人向けに、図解などでわかりやすく書かれています。

依存行為は、現実から目を背けるための刺激であり、賞賛や達成感を得たり、心や体の痛みへの置き換えであること、他の人に頼ることができない状態であること、人間関係に要因があることなどが、丁寧に解説されています。

• 依存している自分を否定しない
• 要因を明らかにする
• どういう時に行い、どんな時にはしないのかなどの記録を取り、観察する
• 友人に話す
• 自分で書き出す

自分を観察し、周りや自分自身とコミュニケーションを重ねながら、徐々に代替の行動に置き換えていくことなど、解決方法や対処方法も、具体的で、着地点が見えやすいものばかりです。

【保護者向け】
ゲーム依存からわが子を守る本 正しい理解と予防・克服の方法

やめられないのは、心の弱さやだらしなさのせいではない。
ネットゲームは苦しみを解消し、生きていくための「心の杖」であり、取り上げてしまうのは逆効果!
依存の裏にある子どものSOSに気づいて、親子で抜け出す解決法

amazon

子ども達がゲーム依存に陥るメカニズム、依存を招く心的苦痛への理解、親ができること、親側のステップなど、子どもがゲーム依存から抜け出すために必要なステップが、図解やイラストを多用しわかりやすく解説されています。

ゲーム依存までいかなくても、このままだとそうなるのではないかと、漠然とした不安がある保護者にも、家庭環境の整え方や子ども達との関わり方のガイド本としてもオススメです。

ドーパミン中毒

人は「推し」に夢中になると昼夜を忘れ、やがて「沼」にハマってしまう。その鍵を握るのが「脳内快楽物質」ドーパミンだ。恋愛、セックス、買物、ゲーム、ＳＮＳ、酒、ギャンブル、薬物……快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中で、現代人が陥る依存の対象は数限りなくある。スタンフォード大学医学部教授で、かつて自身も依存症を経験した第一人者が教える脱出法と、心豊かに生きるための防衛術。

amazon

「快楽」と、快楽を望む「苦痛」のシーソーゲームのバランスが崩れた先にある「依存症」や、バランスの取り戻し方が、多くの実例とともに解説されています。

新書なので、手軽に読めるのも魅力です。

僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた

スマホ、インスタ、ネットフリックス、
スマートウォッチ、ゲーム、メールチェック……
新時代の依存症「行動嗜癖」のメカニズムと、この「厄介な隣人」とうまく付き合っていく方法を 心理学界の次世代を担う俊英が解き明かす。

amazon

スマホやSNSなどのデジタル依存を中心に、依存のメカニズムと、依存を生み出すビジネスのことが、詳しく記されています。

漫画でもありませんし、海外の行動経済学・マーケティング・判断と意思決定の心理学の専門家の著書ですから、文字量も多く読むのは大変ですが、一読の価値はあります。普段利用しているSNSなどのアプリが、どれほど計算され尽くしたものであるか、自分の意思で利用していると思わされながら、どれほど踊らされているのか、ゾッとするほどわかります。