漫画で覗く出版・印刷・漫画業界の舞台裏〜創造と生産の現場の魅力やリアルがわかる

私たちの日常生活に密接に関わりながらも、その実態については意外と知られていない、出版・印刷・漫画業界。

デジタル技術の進化で、仕事のあり方も考え方も大きな変化・進化を続けていますが、文化の発展や情報伝達において重要な役割を果たしていることには変わりありません。

今回は、各業界の特徴や課題、そこで働く人々の姿を生き生きと描いた漫画作品をご紹介します。これらの作品は、単なるエンターテインメントにとどまらず、職業選択や社会構造の理解に役立つ貴重な情報源ともなることでしょう。

働きマン （1巻〜）

週刊『JIDAI』編集部の女性編集者・松方弘子28歳独身。 弘子は編集長や上司や同僚たちと一緒に右往左往しながらもいい雑誌を作る為に日夜奮闘する。寝食を忘れ、恋人との逢瀬もままならず、ジレンマに悩み、誰かとぶつかり……。それでも弘子はいざ仕事モードとなると”男スイッチ”が入り『働きマン』となり、「30歳までに編集長になる」夢を叶える為、日夜働き続けるのだ!!　「あたしは仕事したなーって思って、死にたい」

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アニメ、テレビドラマにもなった話題の作品。

雑誌の中でも特に慌ただしい週刊誌の編集部。その激務の実態、編集者、ライター、カメラマンなどの視点から見た「仕事」を見せつけられます。

1話完結で、毎回主人公が変わりますが、以降の登場人物や話に繋がっていくのは、さすがです。

刷ったもんだ！ （1巻）

東京近郊の印刷会社に勤務する真白悠（元ヤン・目つき悪し）。人生をやり直そうと、印刷業界に飛び込んだが、実際働いてみると、苦労もたくさん。先輩や同僚もこだわりやクセの強い人ばかり。でも、そんな仲間とてんやわんやするこの職場には、ささやかな感動も…。という真白のあれこれを、印刷業界あるあるとともに綴っていく、お仕事コメディーです！

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印刷業界の内幕を垣間見られる職業漫画。

普段は印刷された完成品した目にすることがありませんが、いくつもの人の手と目を通り出来上がったものであることがわかります。

ストーリーはドタバタしていますが、いろんなトラブルをアクの強い面々と協力しながら乗り越えて、成長していくという王道路線です。

ガクサン （1巻〜）

参考書出版社に中途入社した茅野うるし。
そこで出会ったのはクセが強すぎる参考書オタク・福山だった。
立ち読みしてばかりだったり、お客さんの中学生を泣かせたり…社会人としてはヤバすぎる福山だったが、参考書の詳しさは尋常じゃないようで…？
参考書オタク男×サブカルミーハー女 凸凹（でこ　ぼこ）お仕事コメディ！

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参考書出版社という、誰もがお世話になってきたはずなのに、その仕事はさっぱり見えない。大変そうだけど、何が大変なのかさえもわからないし、何が面白いのかさえもわからない。

そんな業界の職業漫画ですが、ストーリーを読み進めていくと、驚くほど深く面白い業界であることがわかります。

参考書の面白さ、選び方、勉強の仕方も参考になります。

重版出来！ （全20巻）

「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです！マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です！！！

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重版出来（じゅうはんしゅったい）。出版物が好評で増刷することを意味する、出版業界の用語です。

週刊コミック誌の編集部に着任した新卒女性漫画編集者を主人公に、“作品は漫画家だけの力では売れない現実”、編集や宣伝などの出版会社、印刷会社、取次店、書店などの多くの人たちの支えがあって、世に出て売れていくリアルが描かれています。

連載開始が2012年。その後漫画、アニメ、デジタル界隈の進化は目覚ましいものがありました。1巻の会話などは、ほんの10数年前ですがひと昔、ふた昔前の感覚があります。

それでも、関わる人たちの熱い思いは変わらないもの。結局は人なのかと、学びの多い漫画です。

マンガに、編集って必要ですか？ （全3巻）

中年漫画家と新米女性編集者の「打ち合わせ」コメディ。漫画家・佐木小次郎（45）はキャリア8年目の中堅漫画家。……と言えば聞こえはいいが、この出版不況、ここらで一発当てとかないと次がやばい、そんな正念場に立たされている。そんな時、新しく担当についたのは、マンガ編集1年目の新人女性編集者・坂本涼（24）だった……。

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SNSで個人レベルでの漫画投稿、電子書籍出版など、漫画のあり方・読み方も大きく変わってきています。

作中では、締め切りに追われる漫画家の日常や、編集者とのやりとり、アイデアの発想過程など、漫画制作の実態、創作における編集者の影響力や、作家と編集者の信頼関係の重要性なども描かれていますが、先の「出版出来！」とは別物。

今の時代の漫画・編集者に求められるものを考えさせられます。

かくしごと （全12巻）

ちょっと下品な漫画を描いてる、漫画家の後藤可久士先生は、一人娘の姫ちゃんが何にもまして、最優先。そんな親バカの後藤先生が、この世で1番恐れていることは、娘に仕事がばれること。漫画家だなんて知られたら、もしかしたら娘に嫌われるのでは!?　アシスタントや編集者を巻き込んで、今日も心配症の後藤先生の1日が始まります！

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一人娘に人気エロ漫画家という職業を悟られまいと奮闘する父親の日常を軸に展開します。

創作の喜びや苦悩、父娘の絆、シニカルなユーモア、切なさ、人生の選択が、繊細な感情描写で描かれています。

人間味あふれるキャラクターたちが織りなす日常の物語は、家族愛、職業の自由、表現の自由についても問いかけてきます。

ブラック・ジャック創作秘話　～手塚治虫の仕事場から～  （全5巻）

“漫画家は医者を創った。医者は漫画家を救った。”漫画史にきらめく不朽の名作「ブラック・ジャック」!!　漫画家の神様・手塚治虫先生の創作の現場を関係者の証言で再現するマンガ・ノンフィクション!!

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実在した漫画の神様と、神様に仕えるアシスタントや編集者たちの記録。

今の時代ではあり得ないレベルのブラックですし、漫画の神様とはいえ聖人君子でもありません。情熱と執念、人間味あふれる手塚治虫先生に出会えます。それにしても、これでもか！というほど、面白いエピソードが続きます。

今の時代の職業漫画としては参考になりませんが、出版業会に興味がある方は一度は読んでおきたいシリーズです。

アニメ編もあります↓